ポリウレタンは、子供のおもちゃ、食器用スポンジ、クッション、タイヤ、断熱材など身の回りのあらゆるものに用いられています。製品の表示を確認したことがある方は絶対に目にしたことがあると思います。
しかし、ポリウレタンは有害物質との掛け合わせでできている物質です。今回はその危険性について解説していきます。
ポリウレタンとは?
ポリウレタンは、ポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られるウレタン結合を有する高分子です。ポリオールやイソシアネートの種類を変える事でゴムのような柔軟性を有するものから、ゴムタイヤのような硬くて強靭なものまで作る事ができます。
ポリウレタンの特性
柔軟性◎ 弾性◎ 低温特性◎
耐摩耗性◎ 耐衝撃性◎ 耐油性◎
耐熱性△ 高温多湿下で劣化しやすい
耐熱温度80℃程度
ポリウレタンは主原料にイソシアネートが使われており、これが化学物質過敏症の原因物質とされる発癌性のある猛毒物質です。
成型品のように固まっていれば問題は無いものの、湿気や熱で劣化したり、割れて断面が表出するとイソシアネートも露出します。そのため、海外では厳しい規制がかけられています。

ポリウレタンって赤ちゃんのおもちゃにも使われてるよね?!
安全性は?大丈夫なの??

こう聞くととても不安ですよね。
筆者も不安だったので調べてみました。
イソシアネートの有害性は?
イソシアネートは発癌性のある猛毒物質で、皮膚や粘膜、呼吸器、神経系に作用します。
微量でも反応が出る上に、一度アレルギーを起こすと更に微量でも激しいアレルギー反応が起きます。

アトピー性皮膚炎の方で調査したら、重症になるにつれ値が上がっていたそうね。

日本できちんと立証はされていないけれど、気管支喘息とも関連する可能性もあるようです。
カナダでは呼吸器に影響があるとして毒物リストに登録されました。
冒頭に挙げたもの以外にも、新築の吹付断熱、無香料の防水スプレー、伸縮性のある衣類などあらゆるものに使われています。
これまでイソシアネートの汚染はポリウレタン等を扱う職人の職業病の要素が強かったのですが、現在は職人以外でも汚染の数値(ige値)が規定以上の人が増えており、汚染は着実に広まっています。

意外なところでは柔軟仕上げ剤のマイクロカプセルなどにも使われています。
どこにでも使われてますね。

避けるのは難しそうね……。
接触の方法によって作用の違いはあるのかな?
接触方法による作用の違い
吸入してしまった場合……
肺から血液中に入り、全身の臓器に行き渡り、主に鼻腔の嗅覚器・気管支・肺などの呼吸器や、腎臓、心臓に蓄積します。
皮膚に接触した場合……
皮膚が赤くなり水泡ができたり、目の痛みや視力障害を引き起こしたりします。
口から摂取した場合……
消化器官内で無害な物質に変化し、排出されやすいのであまり害を及ぼしません。

吸入と、接触が特に危険なのね。
ポリウレタンは危険?
散々不安を煽る内容を書きましたが、ポリウレタン自体は便利で、劣化や破損さえしなければ他の材料に比べ安全性は高いです。様々な形や硬さに加工できるので、子供のオモチャにも使用されています。

オーボールなんか有名ですよね。

オーボールは支援センターとかでもよく見る!
でも本当に子供に渡しても安全なの?

決められた使用方法を守れば安全と言えそうです。
STマーク、CEマークが根拠になります。
安心安全なおもちゃの選び方
STマーク、CEマークをご存じでしょうか?こういうものです↓

こちらはSTマーク。
生後3か月くらいで購入して1歳現在も現役で活躍中のプーさん6wayメリーの箱を引っ張り出して撮影しました。ST・CE、どちらかのマークがついているものは安心安全と言えます。
STマークは日本玩具協会が定める安全基準を満たしている証、CEマークはEU加盟国共通の安全基準である”EN”をクリアしている証です。
CEマークの方がEU加盟国共通の安全基準を満たしているため審査が厳しいですが、日本のSTマークも機械的安全、可燃安全性、科学的安全性の3つの観点の審査をクリアし「安全面について注意深く作られたおもちゃ」と認められたものに表示できるため安心感があります。

食品衛生法にも基づいて検査してるから、口に入れても安心みたい。
しかし、マークが付いているから何をやっても安全と言うわけではありません。
例えばママ人気が高くSTマークが付いているプーメリーであっても、子供が本体を引き倒したり、付属のプラスチックのオーナメントを割ったりしたら危険です。つまり、使用方法を守り通常の使用がされている限りは安全、推奨されない使用方法での安全は保障されないということです。

オーボールもCEマークが付いてるから普通に遊ぶには安心と言えますね。

決められた消毒方法を守って、経年で劣化してきたら早めに処分すれば安心かな。
これからおもちゃを買う時はST・CEマークが付いてるか確認してみよう。
まとめ
ポリウレタンは基本的には安全であるものの、使用方法を誤ると有害であることがわかりました。
とにかく使用方法を守ること!劣化したら捨てること!これに尽きるように思います。
イソシアネートは今はまだ人類への蓄積が少なく重篤な反応は引き起こしませんが、将来的に汚染が進むと接触したことでアナフィラキシーショックを起こし意識障害などを引き起こすようになる可能性もあります。
このようなアレルギー反応が現れる物質は、親から子へ蓄積していくと自閉症スペクトラム障害やADHD、統合失調症などを起こすと言われています。ポリウレタンが身の回りの様々なものに使用されているだけにイソシアネートへの曝露を避けることは難しいですが、製品の使用方法に必ず従う、柔軟剤はマイクロカプセル不使用のものを使用するなど工夫をしてはいかがでしょうか。
▼オーボールの消毒方法はこちら
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